エディターズコラム:美意識のデータベース
洋服を“着るもの”以上に“文化”として見ている人がいる。シルエットの線、ボタンの間隔、生地の質感まで記憶し、保存し、語る彼らは“アーカイバー”であり、“キュレーター”だ。そんな人々のために登場した、知的で感覚的なツールがFarchive。
Farchiveは、AIが自動でファッションアイテムにタグを付け、ユーザーがそのタグを組み合わせて過去のルックを検索できるファッションアーカイビングサービス。長い説明文やキーワードは不要。「リネン」「ネイビー」「ダブルボタン」「フレンチムード」といったシンプルなタグだけで、数年前に保存したコーディネートが一瞬で呼び出せる。
このサービスの肝は、タグそのものの精度だ。AIが画像やデザインからムードを解析し、タグを提案する。タグはユーザーによって編集も可能で、一つのアイテムが「アウター」であると同時に、「春夏」「ニュートラルトーン」「パリシック」でもあることを表現できる。多層的な分類が、アーカイバーの創造力を刺激する。
Farchiveはただの保存ツールではない。検索は再解釈の出発点であり、過去のスタイルを新たに組み直す創作行為そのものだ。
Farchiveは記録のための道具ではない。スタイルの哲学を築く、未来志向のアーカイブだ。今こそ、保存が進化する。
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